データ活用ができるセールスオペレーションを定着させる7つの方法
ビジネスにおいてデータ分析というと、何となくマーケティングに関するものだと感じる方も多いのではないのでしょうか。しかし、売上に直結する営業だからこそデータの活用のインパクトが大きく、むしろ本来は積極的にデータ分析を行っていくべきなのです。そして現在、SFAやCRMツールの登場によりそれがより容易に可能となりました。
しかし、多くの企業では未だに営業の領域でのデータ活用が進んでいないという現実があります。なぜ、営業の領域においてデータの活用が進まないのでしょうか?その原因の一つは便利なツールを導入しても、それを運用し有効活用するオペレーションが現場に定着していないからでした。
本記事では営業でのデータ活用の効果と、それを実現するためのオペレーションを定着させるために営業部長がとるべき7つ方法について解説していきます。
目次
営業でのデータ活用のメリットとは?
具体的に営業においてデータを活用するとどんなメリットがあるのでしょうか?
大きく分けて以下の3つに分類することができます。
売上予測を立てることができる
営業部長の主な仕事の一つが営業の売上予測を経営陣に提示することです。経営陣はその売上予測を元に事業戦略を立てていきます。営業活動のデータを用いることで、商談のクローズまでにかかる時間や営業担当者の生産性を可視化することができ、より信頼性の高い売上予測を算出することができます。
営業効率の最適化ができる
多くの企業ではマーケティングからの見込み顧客に対して平等に時間をかけてアプローチしようとしてしまっています。データを追っておくことで、見込み顧客の属性や行動から成約率が高いセグメントを抽出することができます。営業担当者は確度の高い見込み顧客に集中して営業活動できるようになり、生産性を向上させることができます。
営業スキルの均質化ができる
多くの営業組織の共通の課題は、トップ営業が売上への貢献の大部分を占めて、他の営業担当者や新入社員がなかなか成果をあげることができないというものです。しかし、営業データを分析をしていくことで、トップ営業が他の営業と何が違うのか見つけることができるようになります。
オペレーションを定着させるために7つの方法
1. まず、営業部長が自らデータ分析を行う
組織文化は一般的に上から下へ浸透していきます。そのため、データを活用していくというオペレーションを定着させたい場合、まず営業部長が率先してデータ活用リーダーシップを持ってデータ分析を行っていく必要があります。
組織としてどれだけ成約を取れたのか、採用はうまくいっているかなど、営業部長が追い求める指標はいくつかありますが、事業をスムーズに成長させるという観点では「データ分析がどれだけ正確であるか」という指標も重要となってきます。
2. インセンティブ報酬を売上予測と結びつける
文化はトップダウンで浸透していくと前述しましたが、それだけでは十分ではありません。やはり制度から改革していくことで強固な組織文化となります。
Drop BoxのCCO(チーフ・カスタマー・オフィサー)のYamini Rangan氏はインセンティブ報酬のうち25%を売上予測と結びつけて、算出することが効果的であると推奨しています。
3. 早い時期からCRM・SFAツールを導入する
CRMやSFAといったツールはなるべく早い時期から導入されることを強くお勧めします。確かに、事業の立ち上げ初期のフェーズではExcelやスプレッドシートでも十分に感じるため、まだCRM・SFAを導入するフェーズではないように感じます。
しかし、事業が拡大するにつれ、データ量も組織の人数も増えてしまい、ツールを導入のためのデータ移行やオペレーションを再構築するためのコストが増大してしまいます。将来、大きく拡大する見込み、予定がある場合は早め早めにCRM・SFAを導入することを強くお勧めします。
こちらの記事では、様々なベンダーから提供されているCRMツールの特徴や値段を比較しています。
4. 全社的に用語を定義する
データ分析を行っていくためには、まずMQL・SQLといった見込み顧客や、パイプライン、取引ステージの定義を統一することが必要不可欠であります。言葉の定義が統一されていないと、現場の営業担当者がどのデータを記録したらいいのかわからず、オペレーションが定着しません。また、データが記録されていても、担当者に定義が異なると、統合して分析することができません。
また、言葉の定義は営業部だけでなくマーケティングやカスタマーサクセスを含め、全社的に統合しましょう。全社的に定義を統合することで情報共有が容易になるだけでなく、部門間を横断してデータ分析を行うオペレーションを構築できるようになります。
5. 過剰な雇用を避ける
多くの企業では、大規模な資金調達後に、一気に営業担当者を新規雇用してより多くの顧客獲得を目指そうとします。しかし、データ分析のオペレーションを定着させるという観点では、新規採用だけでなく、既存の従業員へのトレーニング、セールスイネーブルメントプログラム、テクノロジーに投資が必要が重要となってきます。
また、データ分析を行うことで営業効率の最適化ができるようになり、人を新たに雇わずともオペレーションの改善で売上を伸ばすことも可能になります。
6. 営業担当者のスケジュールを把握する
締め日直前に余裕がなく、営業担当者が駆け込みで取引をするような状態だと、データ入力もおろそかになってしまいます。営業部長は日頃より部下のにスケジュールに気を配り、どれだけ遅れているのか、またそれに対する打ち手を考えていくようにしましょう
7. Sales Ops組織を活用する
Sales Opsはデータ分析・オペレーション改善・ツール運用のスペシャリストです。彼らは営業現場から得られたデータを元に、どのようにオペレーションを改善するか、ビジネスをどう進めるべきかについての戦略立案を担います。Sales Ops組織を採用することで、営業担当者は自身の営業活動の実務の部分にフォーカスできるようになります。
Sales Opsに求められるスキル関してはこちらの記事で解説しておりますのでぜひご覧ください。
まとめ
売上予測を立てたり、営業の効率化、営業スキルの属人化を防ぐという意味で営業活動においてもデータを活用は重要であります。
幸い、今日ではCRM・SFAなどのテクノロジーにより、以前より容易にデータ活用ができるようになりました。
テクノロジーが進歩した今、求められるのはそれを十分活用できるオペレーションです。営業テクノロジーの最先端を走るアメリカでは、特に7番目の方法であるSales Opsが注目されています。こちらのe-bookでSales Opsについてその具体的な役割や注目されてきた背景など詳しく説明しています。ぜひこの機会にご覧ください
参考:https://www.clari.com/blog/tips-for-building-a-culture-of-forecast-accuracy
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