BtoB SaaSの受注率を飛躍的に向上させた3つの打ち手
企業の生産性を高めるために、あらゆるSaaSが広がっており、それに応じてSaaSを提供する企業も増えてきました。
しかし、以下のような悩みに直面している方も多くいらっしゃるかと思います。
- 「成約率を向上させたいが、どれがベストプラクティスなのかがわからない」
- 「日本ではSaaSの歴史はまだまだ浅いので、受注に結びつく打ち手や仮説が正しいか不安である。」
日本ではSaaSの歴史はまだまだ浅く、市場には営業やマーケティングのためのベストプラクティスが広まっていません。
そこで今回は、海外のSaaS企業を参考にして効率的に受注に結びつけることのできる打ち手や行っている取り組みを紹介していきます。
目次
SaaSビジネスの特徴
BtoB SaaSビジネスの具体的な3つの特徴をを紹介します
ユーザーファーストで価値にフォーカスすることができる
SaaSの本質的要素はユーザーを起点として、価値を高めていくことです。
例えばSaaS企業側のメリットは以下3点などが挙げられます。
- 1つのコンテンツを作り上げることに注力できるので、開発のリソースに集中できる
- パッケージ商品に比べて安価で提供可能
- コンテンツの見直しが手軽に可能
一方で顧客に応じてのカスタマイズがしにくいことも生じてしまいます。
ユーザー側が利用したい期間契約する形になるので、サービス利用の顧客満足度を上げなければユーザー数は増えません。
安定的な売り上げと大きな利益が可能
SaaS事業は毎月の売りがげが重なっていくストック型の事業です。
小口の売り上げを多数のユーザーから集めているので、毎月の売り上げの変動自体が小さいのも特徴です。
またSaaSでは通常、顧客がサービス利用する際は利用開始時に代金を支払います。企業側からすると代金を前払いで回収できることからキャッシュフローが有利に進めることが可能です。
ユーザーデータから事業を成長させることができる
伝統的な産業では、間に卸売や代理店など様々な中間業者が存在することから、自社と消費者までの距離が遠かったりします。
したがってユーザーの声(情報)を獲得するのが中々難しいものです。
しかしSaaSに関しては、「どの会社が、いつ、何を使えていて何が使えない」などの情報を把握できます。
得られたデータを元に、いち早くユーザーの手助けができたり、プロダクトを修正し、サービスの価値を高められ、顧客満足度にも繋がります。
つまりSaaSは、社内外の一体化されたデータに対してすぐに入り込めるので、早期問題発見が可能で、経営のフィードバックやPDCAを回しやすいので柔軟な経営が可能となります。
SaaS企業の成約率向上にやるべきこと
顧客想いのコミュニケーション
SaaSでは受注に至ってからどのように接するかで顧客満足度が変わっていきます。
顧客が会話に価値を持ってもらえるような会話を展開しなければ、当然耳を傾けてくれません。
アメリカのスタートアップ企業である、会話インテリジェンスツールの「Gong.io」が7万人を超えるBtoB SaaS企業でのセールスコールを分析した膨大な調査を行ったところ、次のような上位結果になったそうです。
- 顧客が最低4分間喋ることを意識する
- 自社について2分以上話してはいけない
- デモが良い形で進んだ場合に、意思決定者が本当に良いものか正しく見極める
SaaSのセールススクリプトを開発するときは、このようなことを認識しておくべきです。
自社の製品ではなく、顧客目線で売っていくことをオススメいたします。
的確なツールとデータを駆使してセールスを強化する
営業担当者は見込み顧客に対して、価値あるものを提供しなければなりません。そのためには、的確なツールと優れたデータによって、リードを特定して成約率を高めることができます。これらどちらかが欠けてしまっていると、売り上げが伸び悩む原因になります。
世界トップクラスクラウド型CRMソフトウェア・Salesforce社の売り上げ報告によると、業績の高い営業チームはデータ主導型の取り組みを行なったことで、売り上げが1.5倍になった結果も出ているそうです。見込み顧客のニーズに合わせて売り込みをデータを調整することができるので、結果に繋がっているということになります。成約率を高めるためには、根拠あるデータをマーケティングチームと連携し、用意しておくことが重要です。
マーケティングがセールスに購買見込みの高い顧客を提供する
SaaSの営業チームには、大きく分けて2つの課題に直面します。
- 購買見込みの高い顧客との接触ができない
- 見込み顧客のフォローに営業担当者がタイムコストがかかってしまう
アメリカのLeadGenius社はより多くの見込み客やコンバージョンを引き付けるマーケティング戦略の重要な要素として「ビデオ」を使用して決断の決め手を作っているといったSaaS企業の良い例があります。
ちなみにLeadGenius社は以下のような順序立てで取り組んでいます。
- レビューサイトレビューサイトへの書き込みを既存顧客に推進
- 見込み顧客のニーズに合わせたツールの開発
- 製品を使用していない顧客にわかりやすい製品資料の作成
- 「決断させるステージ」(決め手になるビデオ(コンテンツ)を作成し、迅速に対応できるようカスタマーサポートで対応できるようにする)
SaaSのマーケティングチームは見込み顧客を支援する新しいコンテンツを作ることで、成約率が向上するので営業チームと良い連携を取っていくべきではないでしょうか。
まとめ
急速に伸びているSaaS業界において、SaaSの本質や特徴を理解しておくことが大切です。
SaaSは先行投資をして、後から収益を期待するようなビジネスモデルであり、一度軌道に乗ると安定したビジネスになります。
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