営業の弱点を把握するパイプライン分析とは?

営業の弱点を把握すべく、パイプライン分析を検討していませんか?

適切なパイプライン分析ができると、売上目標を達成するためのボトルネックが分かり、営業活動全体を効率化していけます。また、個々の営業担当者の弱点や強みも分かりますので、売上向上にも効果的です。

しかし、正しい分析をしていくためには、パイプラインについての正しく理解が必要ですし、分析すること自体が目的になってしまっては本末転倒です。そこで、パイプラインについてや分析の概要、メリットなどについて詳しく紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

そもそもパイプラインとは営業活動の一連の流れのこと

パイプライン分析のメリットや方法を説明していく前に、そもそもパイプラインとは何かを改めて深く理解しておく必要があります。パイプラインを一言で表すと、企業の営業活動の一連の流れといえます。顧客とはじめて接点を持った瞬間から、成約にいたるまでの流れを石油などの輸送管路のパイプに見立てているというわけです。ちなみに、分析するにあたっては、パイプラインの流れに齟齬がないかや分岐点などを俯瞰で把握しておくのが重要となります。

代表的なパイプラインの例としては、以下のような流れが挙げられるでしょう。

  • イベントや問い合わせなど
  • 初回訪問
  • デモや見積り提示など
  • 継続的なフォロー
  • クロージング
  • 成約、納品

もちろん上記のパイプラインはあくまでも1つの例であり、業界や商材によって、各ステップは変わります。たとえば最初に案件が上がってくるパターン1つをとっても、マーケティング起因商談であったり、飛び込み営業だったりと、さまざま考えらえるでしょう。

パイプライン分析をしていくにあたって重要なのは、成約にいたるまでのステップをすべてパイプラインとして、細分化して切り出せていることです。実際に売りが立つまでのステップをきちんと抜き出せていないとパイプライン分析の精度も落ちてしまいますので、丁寧にパイプラインを見える化してください。

パイプライン分析とは?

パイプライン分析は、売上アップや生産性向上に有効です。しかし、パイプライン分析をすること自体が目的になっては、意味がありません。ここからパイプライン分析とは具体的にどのような手法であり、どのようなメリットがあるかを紹介していきますので、参考にしてください。

まず、パイプライン分析を一言で表すと、パイプラインの各ステップのデータを収集し、定量的に分析することで、営業活動の弱点や改善点を洗い出すことだといえます。要するに、失注や商談が長引いてしまうケースなどを改善するために、顧客獲得プロセスを細分化してデータを収集し、どこが改善点か明確にするのが、パイプライン分析の役割なのです。

ちなみにパイプライン分析が適切に行われていない状態は、営業活動が個々の営業担当者の中で完結して、ブラックボックス化している状態といえるでしょう。さらなる売上向上をするポイントが分からず、マネジメントも勘や経験則に頼った感覚的なものになりがちです。もちろん、トップセールスがなぜ売れているのかも分かりません。ここで、パイプライン分析を適切におこなえるとどのような状態になれるのか、パイプライン分析のメリットを確認していきましょう。

パイプライン分析のメリット

パイプライン分析のメリットは、大きく分けて以下の4つです。

  • 営業活動の最適化
  • KPIの最適化
  • 各営業担当者の弱点と強みが分かる
  • マーケティング効果向上

上記メリットそれぞれについて、紹介していきます。

営業活動の最適化

パイプライン分析を適切におこなうと、売上アップやシェア拡大を目指すためのボトルネックが分かります。したがって、営業活動を最適化するために、テコ入れすべき弱点が見えてくるのです。勘や経験で施策を打つのではなく、目標達成のためにより効果的な施策が打てるともいえます。

たとえば、現実は商談数自体が少ないのに、勘や経験則にしたがって受注率を上げるためのロールプレイングをしても非効率です。しかし、パイプライン分析で商談数が足りてないとわかっていれば、マーケティング予算を増やしリード獲得に注力したり、新規営業を強化したりといった効果的な施策につながります。

KPIの最適化

営業活動の最適化とパイプラインのデータから、営業の達成状況も明確になってきます。現状と目標の差が見える化できるので、目標を達成するためのKPIも明確にできることでしょう。各営業担当者のマネジメントも効率的におこなえます。

各営業担当者の弱点と強みが分かる

各営業担当者のマネジメントをする際にもパイプライン分析のデータは役に立ちます。というのも、パイプラインの全体的なデータと営業担当者のデータを比較すると、個々の営業担当者の弱点と強みが見えてくるからです。

たとえば、アポ獲得率が低い一方で、クロージングの成功率が高い営業担当者なら、重要な案件のクロージングに同行させたりロールプレイングなどでコツを共有させたりできます。もちろん、アポ獲得率が高い営業担当者からコツを学ばせたり、テレアポのロールプレイングをさせたりする必要性にも気づけることでしょう。したがって、個々の営業担当者のスキルアップやモチベーションアップにつなげられます。

代表的なパイプライン分析の方法を簡単にご紹介

詳細なパイプライン分析の方法を簡単に紹介していきましょう。全体的な流れは、以下の ステップとなります。

  • パイプラインの細分化・
  • 営業の各ステップのデータ収集と分析
  • 各営業担当者のデータ分析
  • 各顧客の売上状態の分析

パイプラインの細分化・定義

実際にパイプライン分析をしていくにあたり、セールスパイプラインを要素分解して細分化し定義しましょう。各営業担当者からの情報収集の正確性を担保するために、定義は曖昧なものにするのではなく、できるだけ誰が見ても同じ解釈ができるようにしてください。

営業の各ステップのデータ収集と分析

細分化したパイプラインの各ステップのデータを収集します。専用のツールを導入するか、EXCELなどに記録し、営業活動の弱点を洗い出していきましょう。

各営業担当者のデータ分析

営業活動の全体的な弱点がわかったところで、各営業担当者のデータと照らし合わせます。各営業担当者の強みを活かして、全体的な営業活動を改善しましょう。また、並行して各営業担当者の弱点克服にも取り組んで、さらなる営業効率アップを目指します。

各顧客の売上状態の分析

顧客ごとのデータも分析しておくと、売上を上げるのに効率的な属性や集客チャネルなどが明らかになります。理想的な営業リソースの配分を描くことも視野に入ってくるでしょう。

パイプライン分析で弱点と強みを把握して売上向上を目指しましょう

パイプラインについてや、パイプライン分析のメリットや方法について紹介してきましたが、理解は深まったでしょうか?日々パイプラインを可視化することにより、セールスベロシティなど様々な指標が見えてきます。これをもとに営業活動全体の弱点や強みを把握し、施策を講じていくことでさらなる収益の向上、事業成長が見込めます。

しかし、そもそも、理想の営業組織とはどのような組織でしょうか。

営業部長や Sales Ops 担当者をはじめとして、全ての営業組織に関わる方のヒントになるチェックシートで、自社の営業組織のレベルをチェックしてみませんか?

生産性の高い営業組織をつくるために、ぜひご活用ください。