「合理的な営業組織」はどのように作られるのか
在宅勤務やオンライン営業をはじめ、新型コロナウイルスは営業組織のあり方を一変させています。富士通やNECをはじめとする大手企業では「デジタルトランスフォーメーション」と題して、生産性を高めるための組織横断プロジェクトを推進しています。
そうした中、営業組織のリーダーには「合理的な営業組織」とは何なのか?という問いが、従来に増して重要になっているのではないでしょうか。ただデジタルツールを導入するだけではない、意味のある営業改革をどのように実現するのか。
そこで本記事では、USEN-NEXT Design 社の取り組みを交えながら、自社の営業組織を合理的にするためのポイントをご紹介します。
営業組織が非合理的であることの兆候
合理的ではない営業組織には、日々の行動やコミュニケーションにも特徴があります。
- 断られる商談が増えており、結果が出ないのに忙しい
- 顧客とそもそもコミュニケーションを取れていない
- ツール導入でデジタル推進しているが、効果が見えない
- インサイドセールスが「アポ数」だけを追い求めている
- 現状把握にデータが必要だが、各ツールの使い方を覚える時間がない
- 経営陣 / マネージャーに対するレポートづくりで時間が取られている
このような状態にある営業組織では、日々「やっている感のある営業活動」が増えるだけでなく、営業活動そのものに使う時間が減少。Salesforceによると、営業担当者が営業活動に費やしている時間は、勤務時間のわずか3分の1と言います。
改善できる領域の大きさを感じます。
このままでは、コストばかりが肥大化してしまい、売り上げは伸びません。ビジネスの収益性に悪影響を与えてしまう。このペインポイントを解決できることができれば、大きな変革を生み出せると思います。
合理的な営業組織であるための3つのポイント
同様の状況を打開するために、営業改革に取り組む企業が USEN-NEXT Design 社です。USEN GROUP における営業組織の合理化のために、グループ傘下のインサイドセールス業務をワンストップで行う専門組織として立ち上げられました。
同社代表取締役社長である高木氏のインタビュー記事が Sales Zine に公開されており、同記事によると、以下の3つのポイントが見えてきました。
[blogcard url=”https://saleszine.jp/article/detail/2508″]
人間とツール、役割の違いを認識する
高木氏は「効率化のためにAIの自動音声でコールから受注まで完結しようと試みて、「150万コール中1件の受注」という結果を出したこともあります」と語ります。
何もかも自動化しようとする「デジタルトランスフォーメーション」は失敗するということです。人には人の役割、例えば声の抑揚や表情を変えながら対人のコミュニケーションを行い、意思決定者の判断を促すといったものがあります。
一方、膨大なデータを集めながら「何をすべきなのか」を分析・可視化したり、集計のためのデータの転記作業は自動化を行い、営業担当が営業活動に集中できるようにするのはツールの役割に変わってきていると思います。
見込み顧客の引き渡しを自動化する
同社では、もともとスプレッドシートに見込み顧客の情報を書き込み、手動で商談担当者が商談相手を選ぶ仕組みをとっていました。一方、引き継ぎには時間もかかってしまい、だんだん購買意欲も下がってしまうと言う状態でした。
現状は、空いている担当者に次々と見込み顧客が割り当てられる仕組みを整えており、効率的な営業活動が可能になっています。例えば同社の営業担当者は、この仕組みの実現のために導入している「Magic Moment Playbook」を開くと、「今この見込み顧客にアプローチしましょう」という提示を受け取ることができ、そのまま営業活動を行えます。
その結果、商談担当者は「商談相手を選ぶ」というタスクから解放されて、オンライン商談の完了率を55%から70%ほどに改善できました。
同社にとって、オンライン商談を完了させるということは、見込み顧客からの受注・失注を判断できるということです。つまり、見込みのわからない顧客に何度も何度も電話をかけなくて済む。空いた時間を使って、新たな見込み顧客と対話をすることに集中できます。
ムダからの解放です。
ムダからの開放は、現在のビジネスにおいて必須の事項。与えられた時間の中で、いかに最高のモチベーションで、最高のパフォーマンスを、極力簡単に行えるか。そのオペレーションを作ることが求められています。リモート環境だからこそ、より求められていると思います。
今後は、Magic Moment Playbook を開発する株式会社 Magic Moment とともに、予定が空いているだけでなく、成約率が高い担当者に優先的に割り当てるアルゴリズムの開発に取り組みます。
仕組みを浸透させるためのリーダーシップ
以前、弊メディアより「なぜあなたの部下はCRMツールを入力しないのか」についてご紹介させていただきました。新しい仕組みやツールを取り入れても、現場で実行まで行われなければ、無価値になってしまいます。
こういった事象を避けるために、現場の担当者にとってメリットがある仕組みとなるように設計することが大切です。
例えばデータの記録ひとつをとっても、ただ記録させることで終わるのではなく、自身が記録したデータをもとに自身の活動へのフィードバック/示唆をもらえるようになり、担当者の営業実績を高めることができるとしたら、大きなイノベーションになると思いませんか?
また営業組織のリーダーは、仕組みの改革を行うための目的や背景を根強く伝えることに加えて、「運用の例外を認めない」という姿勢を明確にすることが大事であると、USEN-NEXT Design 高木氏は語ります。
おわりに
合理的な営業組織となるために、USEN-NEXT Design社の3つのポイントをご紹介しました。
- 人間とツール、役割の違いを認識する
- 見込み顧客の引き渡しの自動化する
- 仕組みを浸透させるためのリーダーシップ
同社では、上記のような取り組みを実現する上で 「Magic Moment Playbook」を導入・活用しています。どのようなツールなのか、どのように活用したのか、詳しくご興味がございましたら、ぜひ以下の動画で概要をご覧くださいませ。
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