SaaS とは?BtoB SaaS 事業で抑えておきたいポイントを解説!

SaaS(Software as a Service)は、Infrastructure-as-a-Service(IaaS)およびPlatform-as-a-Service(PaaS)とともに、クラウドサービスの3つの主要なカテゴリの一つです。

本記事ではSaaSビジネスの特徴や評価や成功させるためのデータ利活用についてご紹介します。

SaaS とは?

SaaSとはソフトウェアやシステムを所有するのではなく、クラウドサービスとして一定期間の利用権として顧客に料金を支払ってもらうサブスクリプションビジネスの一種です。

従来、ソフトウェアなどは売り切り型が主流でしたが、SaaSへの移行が各ベンダーで進んでいます。

その背景として、売ったら終わりの売り切り型と違い、ユーザーの利用状況に応じた機能拡張が可能となり、よりユーザー視点に立ったサービス提供を実現できる事があります。

国内、国外問わず市場規模も拡大傾向にあり、国内においては2023年までにCAGR(年間平均成長率)は11%にもなると予測されています。

国内SaaSスタートアップや新規事業としてSaaS/サブスクリプションビジネスに取り組む企業社数も増加しており、非常に活発な市場であると言えます。

これほどまでに活発な市場であるSaaSビジネスですが、何故多くの企業がSaaSへの取り組みを図るのか、その特徴をご紹介します。

SaaS ビジネスの特徴とは?

特徴顧客との関係性が重要

SaaSビジネスの特徴の一つとして、顧客はいつでもサービスを解約できる、という点があります。

企業側としては、ユーザーの導入ハードルが下がる要因にもなりますが、短期間での解約は収益性も高くないため、顧客との関係性を長期的に保つことが重要となります。

サービスの継続的な利用のためには、取得できるデータを利活用し、カスタマーサクセスを実現させる必要があります。

特徴投資回収モデルが従来と異なる

売り切り型モデルを主軸にしてきた企業がSaaSに取り組む際の大きな課題として利益発生のタイミングが異なる、という点があります。

売り切り型モデルの場合、利益が発生するのは販売したタイミングですが、SaaSの場合は一定期間以上サービス利用を継続した時やアップセル、クロスセルをしたタイミングです。

そのため、従来の会計データを元にした事業評価では、SaaSビジネスの評価をすることが出来ず、事業の評価が出来ないという課題が発生するケースも多くあります。

売り切り型では売上単価から原価を引いた粗利で事業評価をしますが、SaaSビジネスではユニットエコノミクスという指標を活用します。

ユニットエコノミクスとは、事業の収益性をユニット(一顧客)単位で測定、管理する手法の一つです。

SaaSビジネスにおける、ユーザー一人あたりにおける採算性を表す指標として活用されます。

ユニットエコノミクスは、顧客がその企業にもたらす収益(LTV)と一人あたりの顧客を獲得するためのコスト(CAC)を元に算出されます。 

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特徴取得できるデータの幅が広い

SaaSビジネスは顧客との関係性が重要となりますが、その関係性をより深めるためにデータの利活用が必須です。

売り切り型モデルと違い、購入後も顧客と関係性を保つことで取得できるデータの幅が広いこともSaaSビジネスの大きな特徴と言えます。

事業価値の可視化のためや、顧客満足度の最大化のためにデータを集めますが、その収集や加工、統計結果からの打ち手の考案には多くのリソースが必要となり、SaaSビジネスに取り組む企業の課題となるケースも多くあります。 

BtoB SaaS を成功させるために必要なデータ活用方法とは?

SaaSビジネスを正しく評価するには適切な指標を用いる必要があります。

売り切り型モデルでは売るまでを重要視しますが、SaaSやサブスクリプションビジネスでは売った後の顧客との関係性を深め、顧客のニーズに合わせたサービスを展開し、Churn Rate(解約率)を下げる必要があるためです。

SaaSビジネスの評価指標は前述のユニットエコノミクス、LTVやCACなどがありますが、その他にも以下図のようにいくつかの評価指標があります。

取得したデータを活用することでこれらの指標の算出はもちろんのこと、SaaS/サブスクリプションビジネスの事業を進めるに伴う課題を解決することもできます。

これらの経営管理や課題解決のためにはデータを縦割りで管理するのではなく、全社的に横に繋ぐことが重要となります。

よくある状況として、分業制を導入して各部署で別々のツールを利用している、もしくは各ツール間でデータの連携をしていないことが挙げられます。

また、分業制を導入している場合に全体のタスクが見えず、別のチームには有効なデータがわからずにそもそも入力しないケースやマネジメント層も必須なデータを把握できていないというケースもあります。

データの抜け漏れが発生することはもちろんのこと、必要なデータが足りずにユーザー視点のオペレーションが構築できなくなります。

昨今ではDMP/CDPやMA、SFAやCRMなどデータを取り扱うツールは多様化しており、導入企業も増えています。

ただ、各ツールの連携が取れておらず、データを全社的に横で繋ぐことが出来ていないケースも多くあります。

SaaS/サブスクリプションビジネスにおいて、データの利活用は指標に用いるだけでなく、サービス全体の成長にも関わるため、データをいかにシームレスに横に繋ぐかが事業成功の大きな要因の一つです。

まとめ

SaaS/サブスクリプションは継続課金で安定した経営基盤を作る事ができるため、多くの企業が事業立ち上げに取り組んでいます。成功させるには従来の事業評価や進め方から考え方を大きく変えなくてはならず、課題を抱えている企業も少なくありません。

本記事でご紹介したSaaSの特徴や指標、データの活用方法をご参考にして頂ければ幸いです。

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サブスクリプションビジネスにおけるデータ活用の要諦